「勉強しなさい」「やってるよ!」親と子の感覚の”ズレ”が原因
親:“ちゃんと勉強しなさい!”
子:“もう終わった”“ちゃんとやってるもん”
確認してみると実は『宿題』しかやっていない…というような事ありませんか。
今回は、このようなお子さんとの”ズレ”に関しての解決策をお話しします。
新学期、お母さんにとってもお子様にとってもより良いスタートのためにぜひ参考にしていただければ幸いです。
□お母さんとお子さんの感覚の“ズレ”
「“ちゃんと勉強しなさい!”って言ってもやらないんです。
“もう終わった”“ちゃんとやってるもん”などと言って、確認してみると宿題だけしか…」
これに対して、お子さんの返答を聞くと、
「お母さんはやれやれと言っているけど、ちゃんと勉強はやっているんです!」
これは一つの事例ですが、
こういったお話は特に小学生、中学生のお子さんをお持ちの方によくお伺いします。
これは、お母さんとお子さんに感覚の“ズレ”が生じているんです。
お母さんにとっては、
『ちゃんと勉強する』=“宿題をやって、苦手な英語の復習までを勉強する”
なのですが、お子さんにとっては、
『ちゃんと勉強する』=“宿題を終わらせる”
となってしまっているのです。
このズレは、学校ないし学習塾の先生に関しても指導の際など起きやすいのですが、
学校の先生としてはちゃんと教えた“つもり”でも、
生徒にとっては
「先生にはこれだけしか教わっていない」
「授業聞いててもわからなかった」
となってしまうことがあります。
□ポイントは”指示の具体性”!!
このズレの原因はなにかと言いますと、
「指示の具体性(具体的かどうか)」です。
ビジネスでの企業管理層の教育や人材育成で使われている行動科学マネジメントでは
指示を与える際に、「MORSの原則」という手法があります。
一見難しそうな言葉ですが、各頭文字をとって、
M:measured(計測できる):数えることができる
O:observable(観測できる):見ること・聞くことができる
R:reliable (信頼できる):3人以上が同意できる
S:specific (明確化されている):誰が、何をどうするかがわかる
から「MORSの原則」です。
この手法を使うことで、相手に行動してほしい内容を伝えられるようになります。
では、勉強してほしいお子さんにどう伝えるべきかと言いますと
宿題を終えて英語までを勉強してほしいのであれば、
「宿題をやり終わったら、ノートに今日学校で習った英単語10個を10回ずつ書きましょう」
という指示になります。
こうすることで、
“お母さんが思うちゃんと勉強”=“お子さんが思うちゃんと勉強”
と繋がり、勉強の姿勢も変わってくるのです。
こういった感覚の”ズレ”は大人である上司・部下の関係ですら起きてしまうため
大人・子供間では当然のように起こってしまうのです。
『子どもに言っても聞かない』で終わらず、
ぜひ一度この機会に教え方・伝えかたを見直す機会をとってみてください。