本日の一冊シリーズ③
ブログ, 本紹介
こんにちは!一週間に一冊、おすすめの本を紹介していくコーナーです。
(前回はこちら)
今回ご紹介するのは『魔の山』トーマス・マン(1969,新潮社)です。
対象目安:中学生~
舞台は、第一次世界大戦前、スイスのアルプス山脈にあるサナトリウム(療養所)です。
主人公のハンス・カストルプは、軽い結核で静養しているいとこのヨーアヒムのお見舞いのため訪れます。
しかしハンス自身もそこで結核にかかっていることがわかり、入所することになります。
結局そのあと七年間も、サナトリウムで過ごすことになるのです。
サナトリウムには、それぞれの「病気」を抱えた個性的な患者たちが大勢暮らしています。
世間と隔絶された場所で、一見朗らかに暮らすかれらは、けれどどこかに仄暗さも併せもっています。
軽妙洒脱な会話文はもちろん、山の荘厳な景色の描写も読みどころです。
上下巻と読み応えのある構成になっています。
コロナ禍のいま、「病気と暮らす」ことに思いを巡らせるのにぴったりな一冊、年末年始にいかがでしょうか。
パーソナルスタディ編集部
パーソナルスタディ編集部では、「続ける」をテーマに受験生だけでなく、学習を続けたい皆様のために発信しています。