大学受験の数学の「公式」について
勉強と暗記は切っても切り離せない関係にあると思います。中学受験ではもっとも顕著でしょう。
しかし、大学受験になると少し毛色が異なってきます。数学と物理においては、基礎方程式から種々の公式を導出できるため、公式は単なる呪文ではなく問題を解く上でショートカットのような立ち位置になります。
❏ 大学受験で公式の暗記は必要?
では、高校数学や物理を解く上で公式の暗記は必要ないのでしょうか?
それよりさまざまな問題に触れ解法の習得に専念すべきなのでしょうか?
私は公式の暗記は「必要」だと考えています。理由としては大きく2つあります。
❏ 暗記する理由①『公式の変形や導出をなくす』
一つ目は、簡単なものをいちいち導出していては結局触れられる問題数は少なくなることです。
三角関数の和の公式が最も顕著なのですが、あれ一つ覚えておくと半角の公式や倍角の公式などさまざまな公式を一つで導出できます。
その分暗記にリソースを割かなくても良いという考え方もありますが、いちいちその導出に時間を使っていては結果的にはあまり効率的ではありません。
よく使う変形に関してはしっかりと覚えてしまいましょう。
❏ 必要な理由②『逆変形を容易にする』
二つ目に、公式の形が出てきた時にその逆変形が容易になるというものがあります。
例えば、(cosθ)^2+1という形が出てきた時、普段半角の公式を導出するだけにとどめている人は気付くのに時間を要しますが、きちんと暗記している人は(cos2θ)^2+1=2(cosθ)^2という公式がすぐに頭に浮かんで計算できると思います。
これは暗記することの明確な利点です。
これらの理由から頻出の公式については暗記してしまうことを推奨します。
上にあげた半角の公式はもちろん、二項定理や種々の定積分等は覚えておいて損はないと思いますのでぜひ実践してみて下さい。