保護者の方々からよく

「うちの子は図形の『センス』がなくて~」

という言葉をお聞きします。

 

確かに塾のテキスト、受験問題には

数多くの知識・テクニックを要する問題があります。

 

確かに、補助線一つとっても

『なんとなく』引いて答えを導く、と聞くと『センス』と考えがちです。

 

しかし、

その『なんとなく』はいったいどこからやってくるのか。

 

まだ証明されていない公式・定理、学問を究めるといった意味では、

そういった天才的なひらめき、センスというものは必要なはずです。

 

 

しかし考えて欲しいのは

受験で出る問題は必ず、『解ける』答えが用意されている問題です。

そして、用意された問題は、今までの学習したことを使って解くものです。

つまり、

『解ける』ところまで到達するまでのツールは『知識』です。

 

文章題の時に線分図を描けないお子様もいらっしゃると思います。

それは

文章→「理解」→図形→「理解」→演習

にハードルがあるからです。

ですが積み重ねれば必ずできるようになります。

 

それは

文章→「理解」→演習

のステップが正しく行われ、

類題を演習していくうちに解き方が身につき、

文章を読めば線分図だと自然と入ってくるからです。

 

一方で図形問題に関しては、

「理解」できていてもなかなか問題を解くことができません。

 

類題演習を重ねても、

何か月後かには解けなくなっているというのが普通です。

 

それは、図形の『知識』が自然に身につくものではないからです。

 

文章は言葉と結びつき、

図形はイメージと結びついているのが大きく影響すると思われます。

 

言葉は普段話す。だから自然と身につきやすい。

イメージは普段から目にしにくい。だから覚えにくい。

 

つまり図形の知識というのは、覚えようとする意識が必要なのです。

図形→「理解」→覚える→演習→使った知識の確認

というような段階が必要になってくるのです。

 

補助線一つにとってもそうです。

『なんとなく』引いていたのは、必ずそのイメージがあるからです

 

つまりそのイメージを『覚えて』いてそれを再現しているだけなのです。

その『覚えて』いることが口に説明できないだけなのです。

逆に言えばそこをなるべく言語と結び付けて覚える。

 

例えばおうぎ形をイメージとして認識するだけではなく、

『おうぎ形は中心角が必要』、だから中心から補助線を引く

これが図形分野の入試には必要です。

 

是非センスで片づけずに、

知識として覚える。

それを言葉にする。

これを意識してください。

 

 

図形はセンスではなく、『知識』です。