前回は、学校現場で多用される「アセスメントとは?」についてお話しました。

児童・生徒を客観的に評価・診断する「アセスメント」

今回は、なぜ学校現場でアセスメントが多用されるようになったのか、その背景に迫りたいと思います。

 

 

学校現場でアセスメントが多用される背景


前回、児童・生徒の個性や特性、家庭環境や抱える問題がそれぞれに異なることをお話しました。

それは「多様化した社会」につながることだと思います。

保護者様のなかには「自分が子どもの頃よりも、日本に住む外国人が多くなった気がする」と思ったことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

2020年の在留外国人の数は、日本人の人口の2%ということが分かっており、実際に保護者様が子どもの頃に比べて増えています。

同じクラスに外国人の子がいる状況も、珍しいことではなくなっていますよね。

 

また、以前に比べてインターネットが急速に発達し、スマホやタブレットを使用するお子様も増えています。

 

「知りたい情報がすぐ手に入る」という点では、メリットもありますが、やっぱり親としては懸念もありますよね。

「社会として、国として成熟に向かう途中」と言えば聞こえはいいですが、それによる弊害も多々あります。

 

そんな急速に多様化する環境に対応できる子どもを育成するために、また多様化した社会によって生まれた生徒・児童一人ひとりの問題解決の糸口を見つけるために、アセスメントは存在しています。

 

 

さらに、教師の業務量の多さも、アセスメントという言葉が多用される一因なのではないでしょうか。

「学校における働き方改革」として、文部科学省でも先生方の勤務時間の短縮の取り組みを進めています。

この取り組みは、先生方の勤務時間や業務量が多いという証拠と言えます。

そのような状態で、先生方が一人ひとりの生徒の状況を把握・評価・診断するのは難しいですよね。

 

アセスメントが多用される背景には「教師の業務量・勤務時間を減らしながらも、それぞれの子どもに寄り添った教育を目指す」ということもあるのでは、と考えられます。

 

次回は、今回の考察から見えてくる「学校現場の課題」と「家庭の課題」についてお話しますね。