秋が深まるこの時季、来年春の大学入学試験を控える塾生に向けて、パーソナルスタディがどのような指導を行っているかをご紹介したいと思います。今回は高校3年(通塾当時)の男子生徒の事例です。

 

パーソナルスタディ白山下校・教室長の宮﨑拓未トレーナーに話を聞きました。

 

宮﨑拓未(みやざき・たくみ)
パーソナルスタディ白山下校・教室長。中学・高校・大学入試問わず、受験指導に定評のあるトレーナー。「主体的に、全力で何かに打ち込める生徒を育てる」ことがモットー。

 

高3秋、ビハインドからのスタート


その子は都内の私立の進学高校に通いながら、大学理系学部への現役合格を狙っていました。しかし、高3の9月時点のその子の学力と、第1志望校のレベルとでは大きな開きがあり、冷静に考えて現役合格はかなり厳しい状況でした。

 

その子が抱えていた課題は大きく2つありました。

 

1つ目は理系学部の受験に必須の数学。その子は高校2年の冬から当塾に通い、苦手な数学克服のために勉強を重ねてきました。本人の努力により、計算問題のような基本的な問題は解けるようになりましたが、応用問題になると、まだまだ手も足も出ない状態でした。

 

2つ目は暗記。その子は暗記が大の苦手で、そのことが英語や理系科目の成績アップを狙う上で、ネックになっていました。

 

 

計画を綿密に練り直す


その子の一番の目標である、「大学理系学部への現役合格」。残すところ半年弱の短期間でこれを達成するため、その子とじっくり話し合い、以下のような計画を立てました。

 

●数学の学習

志望校の過去問を分析し、ここからは毎年必ず応用問題が出題される分野に狙いを絞って勉強する。

 

●暗記系学習

英単語など暗記が必要なものは、志望校のレベルに合わせて「覚えるべき範囲」を思い切って絞る。

 

●期限・目標

11月までに、第1志望校合格の目途が立つ程度まで学力を上げる。

 

明確な計画・目標を立てたことで、その子は勉強に前向きになり、順調に学習を進められるようになる……はずでした。

 

学校の課題が重荷に


しかし、ここで新たな課題も出てきました。

 

その子が通う私立の進学高校は、授業の課題(宿題)量がものすごく、それをこなすのが大変でした。学校の課題をやらないことには卒業できないので、入試に必要な科目・単元問わず、課題への取り組みは必須ということになります。

 

それでも頑張って勉強していたその子も、次第に息切れをしはじめ、9月に立てた計画・目標から学習が遅れだし……。11月段階での状況は、第1志望校合格はこのままだとギリギリ、ややもすれば難しいというものでした。

 

 

そして迎えた11月、宮﨑トレーナーの判断は…


大学受験は人生の一大イベントの一つです。しかし、そこで何を最大の目標とするかは人それぞれ。「浪人してでも〇〇大学合格を目指す」という人ももちろんいます。

 

しかしこの子の場合は理系学部への合格、しかも現役合格に強いこだわりを持っていました。

 

そこで、その子にとって“一番大事な目標”を達成するために再び、極めて大事な話し合いをすることにしました。

 

それは「第2志望校をどこにするか戦略的に決める」ことです。

 

その子は大学でやりたいことがありました。第1志望校のほかに、その夢がかなえられる大学・学部を一緒に検討したのです。その子の今の学力、得意とする科目・単元を鑑みつつ、各大学の過去問と照らし合わせ、合格が手堅い“最高のプランB”を選びました。本人も自分の夢をかなえられる可能性が拡がったことからか、再び火がついたように学習に取り組みだしました。

 

 

持てる力すべてを「受験」にぶつける


翌年春、その子は私と一緒に決めた第2志望校に合格することができました。

 

ちなみに第1志望校は補欠合格でした(繰り上げ合格とはならず)。

 

惜しい結果とはなりましたが、その子は「すべてを出し切った」という思いがあったようで、とても明るい表情で教室まで結果報告をしに来てくれました。

 

学習・受験のプロが身近にいる安心感


塾生から進路相談を受けることは非常に多いです。

 

学校の先生と比べて、トレーナーは生徒と年齢が近いので、話しやすいのかもしれません。

 

進路について、子どもが親と腹を割って話すことは意外にできないことかもしれません。もちろん、学校の進路指導の先生も然り。

 

決め手となる重要なセカンドオピニオンをくれる「学習・受験のプロ」が身近にいれば、受験生にとって心強いのではないでしょうか。

 

当塾の指導にご興味・ご関心をいただけるようでしたら、ぜひこちらからお問い合わせください。