以前、今後の高校教育の変革についてお伝えしてきましたが、実際に大学入試はどのように変わっていくのでしょうか。

今回は共通テストの変遷に絞って解説していきたいと思います。

 

 

❏ 共通テストへ変わった理由①


まず、ご存知の通り従来の『センター試験』から現在の形の『共通テスト』に変更がなされました。

これは、従来のセンター試験では測ることが難しい思考力、表現力をよりよく表現するためとされています。

それに伴い問題の傾向や難易度なども調整されました。

ただし、それと同時に行われる予定だった記述式の問題の出題は見送られました。

 

本来、国語の現代文の科目と、数学の数学Ⅰにおいて記述式の問題が出題される見込みでした。

取り止められた理由としては共通テストは例年通りであれば50万人ほどの受験生が受けるため、全員の答案を公正に採点することが難しいとされたためです。

 

 

❏ 共通テストへ変わった理由②


もう一つ大切な理由としては、センター試験の結果は二次試験の出題までに公表されないため例年受験生は自己採点によって志望校の選定を行っていました。

記述式になるとこの自己採点の精度が著しく落ちるため、自分の成績に見合った受験戦略を立てることが難しくなってしまうということが挙げられます。

これらの理由から記述式の試験には現場からの批判が相次ぎ、実施を見送る結果となっています。

 

 

しかし、試験自体の傾向としては以前のセンター試験とは大きく変わっています。

記述式の問題が検討されていた数学では会話文の中に適切な用語や数式を当てはめていく問題が出題されました。

 

また、実生活への応用を強く意識した問題が出題されたことも特徴的です。

英語については例年では毎年出題されていて得点源としている人も多かった文法やアクセントの問題が一切出題されず長文読解主体の問題に変化しました。

また、もう一つ記述式の問題が導入されようとしていた現代文についても、数学のように出題された長文をノート形式にまとめたものを穴埋めするような以前のセンター試験にはあまり見られなかった形式の問題が出題されました。

 

❏ まとめ


総じて、センター試験から結果として形式自体は変わらなかったものの、

問題の細部を変更することによって目標としていた表現力や思考力を問う問題がうまく構成されている印象です。

 

 

受験生の対策としては、今までのセンター試験の過去問も重要ですが、

かなり出題傾向が変化していることも事実ですので積極的に各予備校の予想問題や模試を活用することが大切となってくると思います。