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前回は、勉強の“やりかた”に関してお話しさせていただきました。

 

 

本日は、“教え方・伝え方”に関しましてお話しさせていただきます。

 

 

 

ある保護者様にお子さんの勉強の心配事に関してお伺いした際に、

 

「“ちゃんと勉強しなさい!”って言ってもやらないんです。

“もう終わった”“ちゃんとやってるもん”などと言って、宿題だけしか…」

 

 

これに対して、そのお子さんに聞くと、

「お母さんはやれやれと言っているけど、ちゃんとやっているんです!」

 

 

 

これは一つの事例ですが、

こういったお話は特に中高生のお子さんをお持ちの方によくお伺いします。

 

 

 

これは、お母さんとお子さんに感覚の“ズレ”が生じているんです。

 

 

お母さんにとっては

『ちゃんと勉強する』=“宿題をやって、苦手な英語の復習をする”

 

なのですが、お子さんにとっては

『ちゃんと勉強する』=“宿題を終わらせる”

 

なのです。

 

 

このズレは、学校ないし学習塾の先生に関しても指導の際など起きやすいのですが

先生としてはちゃんと教えた“つもり”でも、

生徒にとっては「これだけしか教わっていない」「結局わからなかった」等

となってしまうことがあります。

 

 

このズレの原因はなにかと言いますと、

「指示の具体性(具体的かどうか)」です。

 

 

ビジネスでの企業管理層の教育や人材育成で使われている行動科学マネジメントでは

指示を与える際に、「MORSの原則」という手法があります。

 

 

一見難しそうですが、各頭文字をとって、

M:measured(計測できる):数えることができる

O:observable(観測できる):見ること・聞くことができる

R:reliable  (信頼できる):3人以上が同意できる

S:specific (明確化されている):誰が、何をどうするかがわかる

から「MORSの原則」です。

 

 

 

この手法を使って、勉強してほしいお子さんにどう伝えるか、と言いますと

 

「宿題をやり終わったら、ノートに今日学校で習った英単語10個を10回ずつ書きましょう」

 

という指示になります。

 

 

こうすることで、

“お母さんが思うちゃんと勉強”=“お子さんが思うちゃんと勉強”

となり、勉強の姿勢も変わってきます。

 

 

大人同士である上司・部下の関係ですら起きてしまうズレですので、

大人・子供間では、間違いなくこのズレは生じてしまいます。

 

 

 

ぜひ一度、『言っても聞かない』で終わらず、

教えかた・伝えかた自体も見直す機会もとっていただけたらと思います。