前回は「中学・高校『定期試験』対策で【国語】の基礎力を養おう」と題し、中学・高校の国語の基礎を固める学習法についてお伝えしました。

 

今回はさらにレベルを上げて、国語を得意科目にするためのポイントをご紹介します。難関校を目指す受験生の皆さんには、ぜひご覧いただきたいと思います。

 

特に現代文にテーマを絞ってお伝えしましょう。ポイントは3つあります。

 

漢字は生きた形で覚えよう


まず1つ目は漢字です。

 

「漢字はとにかくただひたすら覚えるもの」「書ければそれでOK」と思う方が多いかもしれませんが、難関校合格を目指すなら、そのような勉強では足りません。

 

 

漢字は平仮名・カタカナと違い、複雑な意味や概念を一文字で表すことができます。日本語の語彙の豊かさを支える文字でもあります。日本語の表現の幅を広げ、深める働きをしています。漢字がもつ、このような特徴をしっかり押さえてほしいと思います。

 

例えば「寛」という漢字。音読みで「かん」、訓読みで「くつろ(ぐ)」などと読みますが、そこだけを丸暗記するのは、かえって難しいですし、不自然です。

 

では、「寛容の精神」「寛大な態度」「ゆっくり寛ぐ」としてみたらどうでしょう。ちょっとイメージが湧いて、「寛」という漢字を覚えやすく感じると思います。

 

単に覚えやすくなるという話ではありません。漢字を語彙の形で覚えたり、文の中でどのように使われるかを学ぶことが、ひいては文章の読解力を高めることにつながるのです。

 

漢字のトレーニングとしておすすめなのは日記です。授業で習った漢字を、その日の日記の中で使ってみるのです。実際に自分で使うことにより、漢字を生きた形で身に付けられるはずです。

 

実はこれ、パーソナルスタディの国語が得意な塾生たちが、ひそかに実践している方法でもあります。

 

 

文章には「読み方」がある


2つ目は文章の読み方です。

 

優れた文章は通常、「読者に伝わるように」という意図のもと、筆者が構成(文章の展開の仕方)を練り、表現に工夫を重ねた上で書かれています。

 

なので、そのような筆者側の意図を汲み取りながら読むことで、文章の理解は深まります。文章には「読み方」があるということです。

 

ここでは論説文を例に解説しましょう。論説文とは、筆者が自分の主張や考えなどを伝えるために書かれた文章です。なので論説文を読む際は、筆者の主張や考えを理解することが、読者にとってのゴールとなります。

 

① 指示語・接続語を正確にとらえる

指示語・接続語に注意して読むだけで、文章の理解度は飛躍的に高まります。

 

指示語とは「これ」「それ」「あれ」のことですね。文中に「この考え」「その人」「あの場所」のような指示語が出てきたら、何を指すのか正確にとらえるようにしましょう。指示語が指すものは通常、それより前の文章中にあります。

 

接続語には「だから」「そして」「しかし」などがあります。文節と文節、文と文、段落と段落をつないで、前後の関係(順接、並列、逆接など)を示します。

 

接続語を正確にとらえることにより、文の論理的なつながりをとらえることができ、そこで述べられている内容が正しく理解できるようになります。

 

② 事実と意見を分ける

論説文の中身は大きく2つに分けることができます。それは「客観的事実」と「筆者の意見」です。文章を読むとき、この2つを読み分けることを意識してください。

 

「今読んでいるこの箇所は客観的事実か? 筆者の意見か?」と問いかけるように読むとよいでしょう。

 

 

③ 文章の構造をとらえる

以上ができるようになると、文章の「構造」が見えてくるはずです。

 

例えば「序論・本論・結論」の構造で書かれた論説文があるとしましょう。「指示語・接続語を正確にとらえる」「意見と事実を分ける」、ここまでをしっかりやれば、文章の最初からどこの段落までが序論に相当し、中盤のどこからどこまでの段落が本論で、終盤のどこの段落からが結論か、文章全体を支える“骨格”が見えてきます。

 

ここまで理解できれば、文章を要約したり、文章の中からキーワードとなる語を的確に選ぶことができるようになります。どの部分が筆者の主張や考えに相当するかも分かるはずです。

 

要約の場数をこなそう


ポイントの3つ目として、読み方の練習ついてお伝えしたいと思います。正しい読み方を身に付けるためには練習が必要です。

 

パーソナルスタディでは塾生たちに「要旨をとる」、つまり文章を要約してもらうことをよくやります。例えば1000文字程度の文章を短くまとめてもらうのです。

 

国語が苦手なお子さんには「500文字以内に要約して」などと言うようにします。つまり、思い切りハードルを下げるのです。

 

こうしたトレーニングを重ねるうちに、正しい読み方が身に付いて、要約の精度がぐんぐん上がります。最終的には1000文字程度の文書を40文字程度で要約する、といったことができるようになります。

 

要約のトレーニングをするための文章は、国語の問題集などから選ぶ方法もありますが、私たちの身の周りにもたくさん教材があります。

 

新聞の社説やコラムは大体500文字~1000文字程度のものが多いです。特に高校生が取り組む教材としては、ぴったりだと思います。

 

 

会話を要約するのもおすすめです。例えば、友達がちょっと難しい、込み入った話をしたとします。それを「つまり〇〇〇ということ?」と短くまとめてみるのです。

 

国語が得意なお子さんは、このような日常でできる“トレーニング”を、ごく自然な形で実践しています。

 

いかがでしたしょうか。パーソナルスタディにはこの他にも、国語の学力をアップさせるためのノウハウがございます。ご興味・ご関心がある方はぜひこちらからご連絡ください。