今回は、高校受験を目指す中学生と、大学受験を目指す高校生を対象に、国語の学習法をテーマにお送りします。

 

受験生の皆さんの中で、「国語の勉強はついつい後回しにしてしまう」という方は多いのではないでしょうか?

 

「普段、日本語を使っているから、国語は分かっている」という思いがあるのかもしれません。しかし、それでは当然、試験対策として不十分です。

 

そこで、国語を無理なく着実に学ぶため、「定期試験で高得点を取る」ことを目標に据えることをぜひおすすめしたいと思います。

 

定期試験で良い成績が取れれば内申点が上がり、受験で有利になります。もちろん、入学試験の国語で高得点を獲得するための基盤にもなります。

 

国語の定期試験対策はやりやすい!


突然ですが皆さんに質問です。

 

国語の「定期試験」と「入学試験」とでは決定的な違いが1つあります。それは何でしょう?

 

 

答えは、「問題文があらかじめ分かっているか、分かっていないか」です。定期試験は「教科書の〇ページから△ページまで」と出題範囲が決まっており、その中から問題が作られます。試験の問題文があらかじめ分かっているわけです。

 

当然のことながら入学試験では分かりません。

 

さらに、教科書に掲載されている文章のどこが重要なポイントか、つまり、どこが試験で問われるかというところまで、先生が授業で丁寧に説明してくれます。定期試験に向けて、そこをしっかり覚えれば良いわけです。

 

具体的な学習方法について説明します。

 

 

教科書を繰り返し読もう


定期試験対策の要となるのは、授業で使われる教科書・副教材を読むことです。出題範囲にある文章を、しっかり理解してほしいと思います。

 

読む際のポイントが2つあります。

 

1つ目は、文章に出てくる漢字を覚えること。漢字が分からないと、文章も理解できないことになります。

 

文章中で使われている漢字が読めるかどうか、書けるかどうかをチェックしてください。できない場合は教科書・副教材を読む、漢字をノートに書くといったトレーニングを繰り返しましょう。

 

2つ目のポイントは、文章をなるべく覚えること。小説なら「あらすじ」よりも、もう少し踏み込んだ内容まで頭に入れておくといいでしょう。場面設定や、登場人物の心情とその変化が読み取れる箇所などです。

 

文章をあらかじめ覚えておけば、試験本番で「次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい」と問われたとき、文章を読まずに問題に取り組むことができます。考える時間が増えるわけです。これは大きなアドバンテージです。

 

文章が難しいと感じたら、「この文の主語はどれか」「この文の述語はどれか」に着目しながら読んでみてください。理解できるようになるはずです。

 

古文・漢文も読むことが基本


読むことが大事なのは現代文だけでなく、古文・漢文でも同じです。繰り返し教科書・副教材を読んで、分からない言葉を理解し、内容を頭に入れておくと定期試験で断然有利です。

 

 

古文を理解するためには、古語を覚える必要があります。英語で使う単語帳などを活用すると良いでしょう。高校生になったら古語辞典を手もとに置いて、引く習慣を身に付けてほしいです。

 

漢文は、中学生の定期試験では「一二点」「レ点」といった、基礎的な文法の理解が問われます。高校生になると漢文でも読解力が問われるようになるので、試験前に教科書・副教材を読む学習法が、特に効いてきます。

 

授業で配られたプリントは「宝の山」


国語の定期試験対策で、教科書・副教材を読むことと並んで、もう1つ重要なことがあります。それは授業で配られたプリントを復習することです。

 

実は授業で配られたプリントは、定期試験で高得点を狙うための、最も重要な教材ということができます。

 

 

先生の立場になって考えてみましょう。先生は授業で教科書・副教材を使って生徒に教えますが、「教科書・副教材だけでは足りない」と思うから、わざわざプリントを用意するわけです。

 

つまりプリントは、「ここは特に重要だよ」「ここは必ず覚えてほしいところだよ」と先生が考えている箇所そのものなのです。言い換えると、「ここはテストに出るよ」という箇所になります。

 

演習問題のプリントが配られたなら、定期試験でそれと似たような問題が出る可能性が高いです。あるテーマについて深く解説するプリントが配られたなら、定期試験でそのテーマについて問われる可能性が高いです。

 

プリントはノートに貼り付ける


皆さん、授業で配られたプリントをどのように保管していますか? 復習するとき、「あのプリントどこ行ったっけ?」と探すところから始めるようでは不効率です。管理方法をあらかじめ決めておくと良いでしょう。

 

プリントをノートに貼り付けておくようにと、生徒に指示する先生は多いようです。この方法だと、授業でノートを書いた後のページに貼る形になると思います。紛失を防ぐことができますし、後からプリントを探すのもラクなのでおすすめです。

 

先生が口頭で言ったこともノートに書く


定期試験対策の上級技を1つお伝えしましょう。ノートの取り方に秘訣があります。

 

ノートは基本、先生が板書したことを書き写しますが、それに加えて、先生が授業中に口頭で言ったこと(なおかつ板書しなかったこと)も書いておくのです。

 

例えば古典の授業で先生が、平安時代の貴族の暮らしについて、口頭で簡単に説明することがあるかもしれません。そうした補足的知識を覚えておくと、古典の理解がより深まります。

 

 

ノートの端に吹き出しのように書いてもいいですし、付箋を使えば、板書と、口頭だけの説明を明確に書き分けることもできます。自分のやりやすい方法を探してみてください。

 

国語の定期試験で高得点を取る方法、ご理解いただけたでしょうか。このような基礎の積み重ねが、ゆくゆくは入試本番でも効いてきます。

 

国語に限った話ではありませんが、普段の授業が大切だということもご理解いただけたかと思います。他の教科の勉強を優先するあまり、国語の授業中、「内職」する人もいるようですが、実は非常に効率の悪い方法なのです。集中して授業を受けましょう。

 

皆様の合格を心よりお祈りしています。