高校生になると、理科は科目ごとに教科の色が濃くなります。しかし、中学生や、よしんば小学生の理科に関しては例え生物だろうと物理だろうと「理科」としてあまり分野ごとの違いが弱いと思われがちです。確かに小学中学の受験理科は暗記がとても重要な位置を占めているのですが(何故なのかを説明するのに必要な前提知識がまだ未修得のため結果だけを教えるしかない)、こうした勉強のみをしていると思わぬ落とし穴にハマる時があります。

 

■記述問題の対策として『重要語句ノート』


普段授業をしていても感じることではあるのですが、記述問題の正答率があまり芳しくないです。「何故そうなるのか」というような知識を問うだけでなくデータから自分で現象の意味を説明する問題では、他の問題と違い暗記だけでは解けません。

単語や言葉の意味ではなく「なぜその方法や手段を使用するのか?」その理由を逆方向からも説明できるかどうかが重要です。

 

例えば、

知識型の暗記:主に水に溶けにくい気体の捕集に用いられる気体の捕集法は?⇒水上置換法

記述型の暗記:なぜこの実験では水上置換法を用いるのか?⇒酸素は水に溶けにくい性質なので水上置換法が適切である

数学の命題(真偽)のように「Pならばq」が真であるなら「pが真であるとき、qも真である」のようなイメージで説明できるようにしていくことが望ましいです。

また、普段の学習から理科の「重要語句ノート」を作り、

『重要語句』⇔『説明』⇔『重要語句』

のように列を作り、左右に書いていく練習をすると効果的に身につけることが出来ます。

 

 

■本質を理解するための『知識ノート』


では、暗記のみでない勉強はどのようにすれば良いのでしょうか。簡単にできる方法でおすすめなものとしては、ノートに先生の板書を写したり、自分でまとめたりする際に全体の流れを意識することです。

前の内容とのつながりを考えて、ぶつ切りの知識として認識しないようにすることが大切です。そのため、箇条書きでノートに用語だけ書いていくよりは、自分で参考書を作るような感覚で理科の知識や考え方をノートにまとめていく『知識ノート』を作るのも効果的です。