6月14日(金)に、都立上野高等学校にて学習塾対象の説明会が行われました。

今回はその内容をダイジェストでお届けいたします!

 

文化の杜「上野」と創立100年の伝統校


令和7年度入学生(現中3生)用の学校案内表紙には、

「文化の杜 『上野』で学ぶ 創立100年 伝統校の誇り」

という言葉が記されています。

「文化の杜」については、充実した周辺施設の存在がまず挙げられます。
 「東京国立博物館」は言うまでもありませんが、「国立科学博物館」「国立西洋美術館」「上野動物園」「東京都美術館」「東京藝術大学・大学美術館」「上野の森美術館」など、数え上げれば10以上もの文化施設が周りに拡がっています。
これらの施設については、放課後にふらっと立ち寄ることができるだけでなく、実際に部活動や夏休み中のレポート等で活用をしているとのことです。

「総合的な探究の時間 上野学」と題した、自ら課題を設定し、探究学習を行う取り組みも、周辺環境を活かしながら行っています。
東京大早稲田大と連携し、4000字程度の論文を作成するなど、そのまま次の大学生活に繋がりそうな内容を行っている他、若干名ではありますが、富山大上智大など「探究」の内容で推薦合格を得た卒業生もいるとのことです。

そして今年2024年は、記念すべき「創立100周年」。10月には、東京文化会館で記念式典を開催するということです。

 

昨年度より「進学指導推進校」に!


上野高校は、「地域・東京を代表する進学校」「名門校の復活」を目指した取り組みが認められ、昨年度より「進学指導推進校」に指定されています(進学実績については後述)。

(進学指導推進校)

令和5年度にそれまでの「アドバンス校」から、「進学指導推進校」にいわば“格上げ”された上野高校ですが、令和5年度卒業生(303名)の主な合格実績は以下の通りです。

のべ合格者実合格者主な大学と現役合格者数
国公立大学39東京外・茨城5、筑波・電通3、埼玉・千葉・東京都立・埼玉県立2など
早慶上理・ICU4325早稲田15、慶應4、上智15、東京理科8、ICU1
GMARCH228165学習院15、明治51、青学28、立教24、中央28、法政82

・その他合格者数が多い大学は、成城12、成蹊12、武蔵17、明治学院15、國學院21、日本60、東洋117、駒澤37、専修39、東京電機17、東京農業22、獨協28、文教12など(パンフレットより。いずれも現役)。

・実際に進学者が多い大学3選は、「明治」「法政」「東洋」。

・進路決定率は、94%で過去最高。うち、国公立大13%、私立大79%、専門学校2%、進学準備等6%。

 

【教育課程】

令和7年度入学生のカリキュラムとしては、文系理系に分かれるのは高3からで高2段階では社会・理科選択のみ。数Ⅱ・B・Cも高2で学習し、国公立大や大学入学共通テストに対応できるようにしています。実際に高1段階では約6割の生徒が国公立大進学を志望しており、高3段階では100名程度がチャレンジしていくとのことです。

その他特色としては、
●45分7時間授業で、土曜授業はなし。ただし、土曜講習を年20回実施し、受験に向けたやや発展的な内容を取り扱うとのことです。
●習熟度別授業は、英語・数学で実施。
●長期休業中の講習として、進学指導推進校の施策として「校内予備校」も実施されます。
●自習室は、午前7時30分~午後7時まで開放。都立高校屈指の長机180席、キャレルデスク42席の規模を誇ります。テスト前は溢れるので、図書室等も開放しているとのことです。
●「スタディサプリ」を採用し、到達度テストも活用。

 

「英語教育研究推進校」「海外学校間交流推進校」


上野高校の先生方が、学校の誇れること・特色として挙げられたのは、「生徒の人間性」「入ってから伸びる学校」であるということでした。後者に関しては、特に「英語」で伸びを実感しているとのことです。実際に、「英語教育研究推進校」「海外学校間交流推進校」に指定されている同校ですが、英語教育に関しては数々の取り組みを行っており、その一部を紹介します。

●多読
…英語の電子書籍、学級文庫にある英語の本を読む。内容について授業内で英語でのプレゼンやビブリオバトルを実施。

●英語等指導助手(外国人講師)
…JET、ALTが在籍し、高1で週2時間、高2・3で週1時間、ネイティブの先生とのTT授業を実施。

●オンライン英会話(高2)
…授業内で海外のネイティブスピーカー講師と1対1の「オンライン英会話レッスン」を実施。

●外部試験(GTEC)
…今年度は前学年がGTECを受検。GTECの結果から、生徒たちの英語力の伸びが実感できるとのことです。

●多文化共生海外派遣研修参加
…生徒4名+教員1名がセット。今年度はインドネシアへの研修に参加。

 

主な部活動や学校行事


【部活動】

上野高校では、3年連続10回目の関東大会出場を誇る男子バレーボール部や、昨年度東京大会で第3位に入った軟式野球部などの運動部の他、3年連続かつ来年の全国大会出場も決まっている文芸部や同じく近年全国大会に出場している美術部や囲碁将棋部など数多くの部活動が活躍しています。
部活動のラインナップは以下の通りですが、他校ではなかなか見ない珍しい部活動もありますね。

(運動部)
男子バスケ/女子バスケ/男子バレー/女子バレー/バドミントン/硬式テニス/ソフトテニス/卓球/剣道/錬身(柔道)/空手/水泳/陸上競技/ハンドボール/軟式野球/ダンス/サッカー

(文化部)
演劇/吹奏楽/美術/文芸/天文地学/生物/茶道/漫画研究/軽音楽/写真/囲碁将棋/合唱/料理研究/アコースティックギター/クイズ研究

また、部活動の体験についても実施する予定でいるとのことでした。

 

【有志制度】

上野高校では東叡祭(文化祭)、運動会、球技大会などの実行委員には、「手を挙げた生徒全員」がなることができる「有志制度」をとっています。生徒たちの自主性を尊重する「自主協調」(と「叡智健康」)の教育目標の表れと言えるでしょう。

 

上野高校に入学したいなら…


新入生アンケートでは、約86%の生徒が上野高校が「第一志望」であったと答えたそうです。
今年度は、男子147名・女子170名で、推薦入試はやはり女子の方が合格者が多かったとのこと。
面接については、「上手に話ができなくても」「上野愛(学校への想い)を語れるか・持っているか」を見ているので、なぜ上野高校を志望しているのかをしっかりと語れるように準備してきてほしいとのことでした。

また、今年の一般入試では男子の方が合格者が多く、平均点も高かったので1020(内申300+学力700+ESAT-J20)点中800点前後は欲しかった、当日得点も400点は超えないと難しかったのでは、ということでした。

新入生アンケートによると、中3時点での通塾率は85%くらいとのことなので、多くの生徒が学習塾を活用して合格を手にしたとのことです。

いずれにせよ、内申も当日得点もしっかり確保するための学習習慣や学力がついているか、しっかり自己を見直す必要があると思います。

 

まとめ


上野高校は、「名門校の復活」を掲げ、一体感と進学指導に力を入れているとても良い学校だと感じました!
周辺の文化施設の数々もさることながら、学校長をはじめとした「上野愛」を持った先生方が指導に当たっており、(少し校舎は古いですが)学習環境が充実した学校だと言えるでしょう。

「上野高校に合格したい!」「都立高校に合格したい!」「行きたい学校はまだ見つかっていないけど、この夏後悔したくない!」など、PERSONAL STUDYでは一人ひとりの進路実現を全力でサポートしています。
高校入試に関するお悩みやご相談がある方は、是非一度お問い合わせください。